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分野間連携(自然科学研究機構)(3ページ) 分子研リポート2013 | 分子科学研究所

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114 各種事業

5-3 分野間連携(自然科学研究機構)

5-3-1 概要

自然科学研究機構の法人化後第1期中期計画期間(平成16〜21年度)には,新分野創成型連携プロジェクトとし て「分野間連携による学際的・国際的研究拠点形成事業」が行われたが,平成22年度から第2期中期計画期間となり, これが再編され「自然科学研究における国際的学術拠点の形成事業」と「新分野の創成」となった。

「自然科学研究における国際的学術拠点の形成事業」では,分子科学研究所,国立天文台,核融合科学研究所が共 同して進める「シミュレーションによる『自然科学における階層と全体』に関する新たな学術分野の開拓」,分子科 学研究所が主体的に進める「分子科学国際共同研究拠点の形成」等のプロジェクトが行われている。(この内前者には, 平成21年度までに実施してきた「巨大計算新手法の開発と分子・物質シミュレーション中核拠点の形成」及び「自 然科学における階層と全体」が発展的に展開されている。)またこの他に,機構内で提案公募に基づいて選考・実施 する「若手研究者による分野間連携研究プロジェクト」を行い,分子科学研究所が中心となる課題として平成25年 度は2件が採択・実施された。

「新分野の創成」では,機構の新分野創成センターが主体的に行うプロジェクトが行われている。これには,平成 21年度まで「分野間連携」の一環として行われた「イメージング・サイエンス」が組み込まれる形となっている。

5-3-2 イメージング・サイエンス

(1) 経緯と現状

研究所の法人化に伴い5研究所を擁する自然科学研究機構が発足し,5研究所をまたぐ新研究領域創成の一つのプ ロジェクトとして「イメージング・サイエンス」が取り上げられることとなった。以下に,その経緯と現状について 述べる。

平成16年度に機構が発足した後,研究連携室で議論がなされ,機構内連携の一つのテーマとして「イメージング・ サイエンス」を立ち上げることが決定された。連携室員の中から数名の他に,各研究所からイメージングに関連する 研究を行っている教授・准教授1〜2名が招集され,「イメージング・サイエンス」小委員会として,公開シンポジ ウムその他プロジェクトの推進を担当することとなった。

平成17年8月の公開シンポジウム(後述)の後,小委員会において,本プロジェクトの具体的な推進について議 論を行った。この機会に,各研究所が持つ独自のバックグラウンドを元に,それらを結集して,広い分野にわたる波 及効果をもたらすような,新しいイメージング計測・解析法の萌芽を見いだすことが理想,という議論がなされた。

それに向けた方策として,機構内の複数の研究所にまたがる,イメージングに関連する具体的な連携研究テーマを いくつか立てる案を連携室に提案したが,予算の問題等もあってこれは実現しなかった。

その後,機構の特別教育研究経費「分野間連携による学際的・国際的研究拠点形成」の新分野創成型連携プロジェ クトの項目として,イメージングに関連した研究所をまたがる提案が数件採択・実施された(「イメージング・サイエ ンス—超高圧位相差電子顕微鏡をベースとした光顕・電顕相関3次元イメージング—」など)。これが上述の提案に代 わるものとして,「イメージング・サイエンス」に係る具体的な機構内連携研究を推進した。平成20年度には,岡崎 統合バイオサイエンスセンター(生理研)の永山教授を中心に再編された小委員会が招集され,国立天文台に設置さ れた一般市民向け立体視動画シアター「4D 2U」(4-dimensional to you)を利用した,広報コンテンツ作成に関する検討 が開始された。5研究所がもつイメージングデータを元に,機構の研究成果を一般市民向けに解説する立体動画集の 制作を目論んでいる(現在提供されているコンテンツは宇宙関係のもののみ)。同時に,イメージングを中心とした機

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各種事業 115 構内連携の新たな展開について議論を行っている。平成21年度に機構本部の下に,5研究所が連携して自然科学の 新しい分野や問題を発掘することを目指して,新分野創成センターが設置され,その中にブレインサイエンス研究分 野及びイメージングサイエンス研究分野がおかれた。イメージングサイエンス研究分野は5研究所から1名ずつの併 任教授が就任した(平成24年度から各研究所2名ずつに増員された)。また外部からの任期付き客員教授1名及び実 動部隊としての博士研究員若干名を公募し,上述のようなイメージングコンテンツの新たな表示法や,イメージから の特徴抽出の手法等の開発を推進することとなった。現在客員教授及び特任助教,博士研究員が,実際の活動を行っ ている。平成22年度には,イメージングサイエンス研究分野所属の研究者と,関連する分野の大学の研究者が集まり, 新たな「画像科学」を展開する研究領域を立ち上げ活動の模索を開始した。また,機構内でイメージングサイエンス に関わる研究プロジェクトを公募し,平成24年度は9件のプロジェクト研究と3件の研究会,平成25年度は5件の プロジェクト研究と3件の研究会が採択された。

(2) 実施された行事

このプロジェクトの具体的な最初の行事として,各研究所のイメージングに関わる興味の対象と研究ポテンシャル を,5研究所が互いに知ることを目的として,「イメージング・サイエンス」に関する公開シンポジウムを開催する こととなった。平成17年8月8日−9日に,「連携研究プロジェクト Imagi ng S ci ence 第1回シンポジウム」として, 公開シンポジウムが岡崎コンファレンスセンターで開催された。このシンポジウムでは,天文学,核融合科学,基礎 生物学,生理学,分子科学におけるイメージング関連研究に関する,機構内外の講師による16件の講演,及び今後 の分野間連携研究に関する全体討論が行われた。参加者は機構外36名,機構内148名,大学院生80名,合計264 名を数えた。また,講演と全体討論の内容は,175 ページのプロシーディングス(日本語)としてまとめられ,同年 12月に発行された。この機会によって機構内のイメージング・サイエンス関連研究に関する研究所間の相互理解が 進み,その後の機構内連携研究の推進に相当に寄与したと考えられる。

平成18年3月21日には,立花隆氏のコーディネート,自然科学研究機構主催で「自然科学の挑戦シンポジウム」 が東京・大手町で開催された。これは,一般の市民を対象に,機構の研究アクティビティーをアピールすることを目 的として,立花氏が企画して実現したもので,当日は約600名収容の会場がほぼ満席となる参加があった。このシン ポジウムの中で,「21世紀はイメージング・サイエンスの時代」と称して,イメージングを主題とするパネルディス カッションが組まれた。ここにはパネラーとして「イメージング・サイエンス」小委員会委員を中心とする講師によっ て,5研究所全てから,各研究所で行われているイメージング関連の研究の例が紹介され,最後に講師が集まりパネ ルディスカッションが開かれた。このシンポジウムの記録の出版は諸々の事情で遅れていたが,平成20年度にクバ プロから出版された。

平成18年12月5日−8日には,第16回国際土岐コンファレンス(核融合科学を中心とする国際研究集会)が核 融合研究所主催で土岐市において開催された。この会議ではサブテーマが“ A dvanced Imaging and Plasma D iagnostics” とされ,プラズマ科学に限らず,天文学,生物学,原子・分子科学を含む広い分野におけるイメージング一般に関す るシンポジウムとポスターセッションが企画された。分子科学研究所からも,数名が参加し,講演及びポスター発表 を行った。また平成19年8月23日−24日には,「画像計測研究会2007」が核融合科学研究所一般共同研究の一環 として,核融合科学研究所において開催された。平成20年11月10日−13日には,第39回生理研国際シンポジウ ムとして,“ F rontiers of B iological Imaging—S ynergy of the A dvanced T echniques” が開催され,機構内のイメージングに 関わる研究者も数名(分子研1名)が講演を行った。平成22年3月21日には,再び立花隆氏のコーディネートによ る自然科学研究機構シンポジウム(東京で開催)において,イメージングサイエンスを取り上げた。平成22年12月

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116 各種事業

28日には,核融合科学研究所において,イメージングサイエンス研究分野所属の研究教育職員と様々な関連分野の 全国から研究者が集まり,「画像科学シンポジウム」が開催された。平成24年3月5,6日には,岡崎コンファレン スセンターにおいて,基生研バイオイメージングフォーラムと合同で「画像科学シンポジウム」が開催された。平成 25年4月10日には,2名の特任助教による公開セミナーも実施され,画像処理ソフトウェアの開発にまつわる現状 と課題が紹介された。

5-3-3 シミュレーションによる 「自然科学における階層と全体」 に関する新たな学術分野の開拓

本プロジェクトでは,分子スケールから固体物質や生体分子にわたる物性や機能発現の解析に加え,分子の集団運 動と反応との関係,生体分子における揺らぎの下で起こる確実な機能発現や多様な状態・構造変化間の相関などに関 する理論・計算および実験研究により分子システムの物性・機能の解明,階層を貫く分子ダイナミクスの解析・観測 法の開拓に関する国際研究拠点形成を目指す。そのための活動の一環として,7月には分子研シンポジウム“ N ew V isions for S pectroscopy & C omputation: T emporal and S patial A dventures of Molecular S cience” を開催するとともに,理論・ 計算科学に関するセミナーを開催した。さらに,理論および計算分子科学に関する人材育成を目的として,分子シミュ レーションおよび電子状態理論に関する講習会を開催した。

さらに,以上の国際研究拠点形成活動に加え,自然界における階層と全体の向けた取り組みとして,天文学や核融 合科学の分野で行われている計算科学研究に関する方法論的および概念的な共通項を探るとともに,他分野のアイ ディアの導入による研究の展開を目指した活動も進めている。今年度は M D シミュレーションとその応用などに関す るシンポジウムを2月20,21日に開催した。

参照

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